幻の白いオオカミ。ニューファンドランドシロオオカミの神秘的なその姿は、確かに幻と呼ばれても差し支えないものだったのでしょう。
しかし、家畜を襲う彼らは人間にとって敵とみなされ、絶滅に追い込まれてしまいました。
その美しく白い毛並みを再び目にすることは叶わないのでしょうか。
今回はこの幻のオオカミと、その生き残りの可能性について調べてみました。
「ニューファンドランドシロオオカミ」とは
身体的特徴
平均的な体長は180㎝、大きいものになると200㎝にもなり、体重は45㎏~70㎏程度でした。
ゴールデンレトリバー3匹分だと言われたら、このオオカミの大きさにハッとしていただけるでしょうか。
体色は白色で、これは雪の多いニューファンドランドで保護色の役割を果たしていたと言われています。
「ニューファンドランドシロオオカミ」の分布・生息地
極寒の地・カナダのニューファンドランド島に生息していました。その中でも主に山地を生活の拠点にしていたと言います。
島へ渡ってきた時期に関しては、最終氷河期と同じころであるというものと、最終氷河期よりも前に、餌であるカリブーと一緒にやってきたというものの、2つの説があります。
「ニューファンドランドシロオオカミ」の絶滅した原因
1842年、ニューファンドランドシロオオカミは家畜を襲ったため懸賞金の対象になり、大幅に数を減らしていきました。
政府の推奨を受けたハンターたちは毒餌や銃などで彼らを狩り尽くそうとしたのです。
そして、生き残ったものたちも、餌となるカリブーの減少により、徐々に餓えていきました。
彼らの絶滅した時期を正確に特定することは難しいですが、1930年代の初頭までは目撃情報が散見されていたといいます。
「ニューファンドランドシロオオカミ」の生き残りの可能性
しかし、彼らの生存を信じ、その姿を見つけようとする人々がいました。
島ではすでにオオカミは絶滅してしまっているという話でしたが、この調査ではものすごいスピードで走り抜けていく大型のイヌ科動物を、赤外線カメラがとらえています。
またその他にも足跡や地元の人の証言など、オオカミの生存を裏付ける証拠がたくさん出てきました。
まとめ
上記の調査では、明るいところでニューファンドランドシロオオカミの姿をとらえることはできませんでしたが、島の環境的にも、彼らの生息が十分に望めるものなのだそうです。
再び彼らとまみえることも、遙か響く遠吠えを聞くことも、完全に夢物語ではないのかもしれません。