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【エピオルニスとは】特徴や生息地・絶滅の原因や生き残りの可能性まとめ

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エピオルニスは、アフリカのマダガスカル島に17世紀まで存在していたという飛べない鳥です。

英語で「Elehant Bird」(象鳥)と名付けられるほどに巨大な体躯を持った彼らは、その卵の化石が高額で取引されたり、ゲームのモンスターのモデルになったりと、絶滅してなお人々を魅了してやみません。

今回はそんな幻の巨大鳥・エピオルニスについて調べてみました。

「エピオルニス」とは
・身体的特徴

英名「Elehant Bird」(象鳥)の名前からわかる通り非常に巨大で、史上最も体重の重い鳥だったと言われています。

足先~頭頂までの高さは3m~3.4m、体重は400㎏から重たいものだと500㎏までになると推測されています。

現存する鳥類の中で最大種であり、見た目の特徴が非常によく似ているダチョウの体長が2.3m~2.5m、体重135㎏程であることを考えると、エピオルニスがどれほど巨大な鳥であったかということがわかるでしょう。

しかし、イギリスの科学雑誌「RoyalSocietyOpenScience(ロイヤルソサエティー・オープンサイエンス)」によると、エピオルニスの一種であるエピオルニス・マクシムスは推定体重が860㎏あり、成体のキリンに匹敵する大きさだったそうです。

またエピオルニスは、中東・インド洋地域の伝説に登場する巨大な白い鳥・ロック鳥(ルフ)のモデルであったとも言われています。

しかし、象を掴んで飛ぶことのできたロック鳥とは違い、エピオルニスは全く飛ぶことができませんでした。

生態的特徴

エピオルニスは非常に大きい卵を産むことでも知られています。

現在発見されている最大の卵の化石は長さ約30㎝、直径24㎝程で、同じく大きいとされるダチョウの卵のなんと2倍近くにもなります。

私たちの普段食べている卵の大きさが5.5㎝くらいであると聞けば、改めてその大きさに驚かれる方もいるでしょう。

ちなみに容積は9リットルほどで、これはニワトリの卵約180個分に相当するそうです。

また、2016年には中国の復旦大学の米澤隆弘副教授らのグループによって、エピオルニスに最も近縁な鳥はニュージーランドの小さな鳥・キーウィであることが明らかになりました。

そして同研究では、エピオルニスの巨大化の過程までも突き止めています。

『もともと北半球にいた古顎類の祖先は、リトルニスのような飛べる鳥であった。およ そ 7000 万年前までに現在のダチョウと分かれた古顎類の系統は、その頃存在した北米と南 米を隔てたパナマ海峡を渡り南米に進出した。北半球に留まったダチョウの祖先はその後 2000 万年前に陸続きになったアフリカに進出したが、ユーラシアのグループは絶滅した。

一方、南米に進出したグループは新天地で多様化した。当時の南米はまだ温暖だった南極を 通じてオーストラリアともつながっていたので、彼らは各地に広がった。飛べる鳥であった古顎類の祖先は南極から更にニュージーランドやマダガスカルにも分布を広げた。

マダガスカルに渡ったグループがその後巨大化し、エピオルニスへと進化した。』(米澤,2016『マダガスカルの絶滅した巨大な鳥・象鳥の 古代 DNA 解析による走鳥類進化の解明』)

もともとは飛べる鳥だったエピオルニスの祖先が、ニュージーランドやマダガスカルに渡り、そこで巨大化したということですね。

また大陸から孤立していたマダガスカルには天敵となる哺乳類も少なかったため、これも巨大化の要因の一つだと考えられています。

「エピオルニス」の分布・生息地

エピオルニスはマダガスカル島の固有種です。

そのなかでも、エピオルニス・マクシムスについてはサバンナや熱帯雨林に生息していたことがわかっています。

人間が移住する前のマダガスカル島で独自の進化を遂げ、繁栄してきました。


「エピオルニス」の絶滅した原因

今から1500~2000年ほど前、マダガスカル島に移住してきた人間たちによって、卵や肉を目的に乱獲されたことで、その数を急激に減らしていきました。

巨大だったエピオルニスは、一羽仕留めるだけで村全体にいきわたるほどの肉が得られ、卵も貴重なたんぱく源だったため、植民者たちの格好の獲物だったのです。

最盛期には数百万羽がいたエピオルニスは、1500年ごろにはほとんど見られなくなっていました。

そして1650年ごろを最後に、生きているエピオルニスは記録の中からも姿を消してしまいました。

「エピオルニス」の生き残りの可能性

上記のとおり、エピオルニスが生き残っている可能性は途方もなく低いと言い切れるでしょう。

しかし、各国の研究チームがこぞって取り上げ、その生態について議論が交わされています。

また日本においても、進化生物研究所という一般財団法人が、エピオルニスについて研究を進めておられるようです。新しい発見に期待したいところですね!

また、東京都にある上野動物園には、そんな巨大なエピオルニスの銅像が展示されています。興味のある方は是非一度見にいかれてはいかがでしょうか。