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【キムネカカとは】生息地や絶滅の原因・生き残りの可能性まとめ

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「キムネカカ」とは、オウム目インコ科ミヤマオウム属に属するオウムの仲間です。

ノーフォークカカともよばれています。

オウムの中でも大型の種類で、体長約38センチ、体重はおおよそ500~1000g程度です。

体色は大部分はオリーブ色で、頬と喉が赤みがかったオレンジ色、胸元は麦わら色、臀部と下腹部とくちばしは暗い橙色という、とてもきれいな体色のオウムです。

キムネカカを含むミヤマオウム属のオウムは、「カカ」「ミヤマオウム」「キムネカカ」の3種を含みますが、これらはすべて、1500万年前の「プロトカカ」という種類から分化した種類だと考えられています。

キムネカカは、1825年~1854年の間に絶滅したといわれており、他のミヤマオウム属の「カカ」「ミヤマオウム」についてはまだ生存が確認されていますが、両種ともに個体数は減少しており、絶滅危惧種に指定されています。

「キムネカカ」の分布・生息地

キムネカカは、オーストラリア・ニューカレドニア・ニュージーランドの間に位置する「ノーフォーク島」と、その南に位置する無人島「フィリップ島」に生息していましたが、現在は絶滅しています。

その種の生態の多くはあまり知られていません。

主に地上と、背の高い木の上の両方で生活し、他のミヤマオウム属のオウムと同様に、花や果実、果汁、種子などを食べていたと考えられます。

鳴き声については、イギリスの博物学者である「ジョン・グルード」によって、「しわがれ声、ガチャガチャ、不調和な音、時には犬の吠え声に似ている」という記録が残っています。

「キムネカカ」が絶滅した原因

キムネカカの生息地の一つであるノーフォーク島は、1774年に初めて発見されました。

その後、1788年ごろから本格的な入植がはじまり、キムネカカはペットや食用として捕獲されてしまったといいます。

キムネカカが初めて種として記載されたのは1836年ですが、この時にはすでに個体数が減少していた可能性があります。

もう一つの生息地であったフィリップ島においても、無人島ではありましたが、ノーフォーク島の入植者が来島し、食料や娯楽などのためにヤギやブタ、ウサギなどを島に放ったといわれています。

そのため、島の生態系は乱れ、キムネカカを含む多くの動植物が失われ、島の大半は不毛の荒地と化してしまったようです。

これらのことから、キムネカカが絶滅してしまった原因は、人間の入植による環境の変化が大きいと考えられます。

「キムネカカ」の生き残りの可能性

キムネカカの種としての最後の記録は、ロンドン動物園で1851年に死亡した個体です。

現在は世界各地の博物館に16個の標本があるだけとされています。

キムネカカは、発見当初はノーフォーク島とフィリップ島の個体は別々の種であると考えられていました。

しかし、各島の標本を調査したところ、同種であることがわかりました。

現在、キムネカカを含むミヤマオウム属の「カカ」「ミヤマオウム」については、個体数は少ないですが生存が確認されています。

今後、最新の研究により、別種としていた種が同種であったり、近い遺伝子を持つオウムが発見される可能性は否定できません。

また、現在ノーフォーク島・フィリップ島では、島の保護活動に力を入れており、フィリップ島は1996年にノーフォーク島国立公園の一部に指定されています。

こうした環境保護活動により、島の生態系が回復し、ひそかに生き残っていたキムネカカが繁殖を繰り返し、再び私たち人間の前に姿を現してくれることもあるかもしれません。