別名「スカンクガモ」とも呼ばれるカササギガモ。
えっ、もしかして敵を臭いで威嚇するの?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、単に柄が似ていることからそう呼ばれているようです。
本格的な調査が行われる前に絶滅してしまっために、幻の鳥とも言われれるカササギガモ。
今回はその生態を調べてみました。
「カササギガモ」とは
身体的特徴
大きさはだいたいマガモと同じくらい。
翼は白く、長さはオスで21㎝ほど、メスはそれよりもわずかに短くなっています。
くちばしの先端は平たく、しゃもじのようになっており、黄色と黒が鮮やかでした。
オスは頭~首までがクリーム色の羽毛でおおわれており、頭頂と首に黒い羽毛が生えていました。
首の黒い羽毛は輪のように生えていたそうです。一方でメスは全身に灰褐色の羽毛が生えており、翼には白い斑点があったそうです。
生態的特徴
詳しいことはわかっていませんが、無脊椎動物を食べて生活していたと考えられています。
翼をばたつかせて、餌がびっくりして飛び出してきたところを狙って捕獲していました。
また、潜水も得意なことから、海に潜って海底の貝類を食べていたのではないかとも言われています。
余談ですが、カササギガモは肉があまりおいしくないために、食用には向いていませんでした。
「カササギガモ」の分布・生息地
カナダ東部のラブラドル半島を繁殖の場としており、冬には北アメリカ東部のニューブランズウィッグからチュサピーク湾にかけて沿岸や河口の三角州の砂地でよく見られたそうです。
「カササギガモ」の絶滅した原因
食べられることこそ多くはなかったものの、19世紀半ばにはスポーツハンティングと称して過剰な狩りが行われていました。
これがカササギガモの絶滅を大きく後押ししたことは言うまでもありません。
また、生息地付近の人口が増加し、布団や枕に加工するための羽毛の需要が高まったことも、乱獲に拍車をかけていきました。
美味しくないと言われながらも、カササギガモの肉が市場に出回る程度には、人口の増加は著しいものだったようです。
鳥の新しい伝染病などが流行ったこともあり、カササギガモは、徐々に、そして確実に、その数を減らしていったのです。
「カササギガモ」の生き残りの可能性
その姿が最後に確認されたのは、アメリカのロングアイランドです。
1875年のことでした。カササギガモは、50個の剥製のみを残し、地球上から姿を消してしまいました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。食性を中心に、未だ解明されていないことが多い幻の鳥・カササギガモ。
その肉は柔らかくまずいとのことですが、一度口にしてみたかった……と残念なのは私だけでしょうか。