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【スワモロコとは】長野県の固有種の絶滅の原因や生き残りの可能性まとめ

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「スワモロコ」とは、コイ科に属する淡水魚の仲間で、タモロコの亜種とされています。

日本ではコイ科に属していますが、世界的にみるとカマツカ科に属するとされている場合もあるようです。

最大でも12cmほどの魚類で、口は亜端位で、口角に1 対の口髭があり、その長さは成魚では1.3~ 4.0mmほどです。

胸鰭が長く、体に黒点が多いことと、頭の長さと尾びれの付け根の高さが違うことで、タモロコと区別することができます。

なお、福井県三方 湖のタモロコ個体群はスワモロコに酷似した体形をしているといわれています。

動物プランクトンを餌とする、雑食性で、1960年代には絶滅したと考えられています。

「スワモロコ」の分布、生息地

スワモロコは、長野県諏訪市にある、諏訪湖にしか生息していない、固有種です。

流入、流出河川といった周辺水域には分布しなかったといわれています。

湖の岸近くの表層から中層に生息しており、そこで動物プランクトンを食べて生活していました。

「スワモロコ」が絶滅した原因

スワモロコは、諏訪湖の固有種として生き延びていましたが、1960年に6個体が採集されたという記録を最後に絶滅したと言われています。

その原因は、諏訪湖に、ホンモロコやタモロコなど、他のタモロコの亜種がが移入されたことで、生息環境や餌がかぶってしまい、種間競争に負けてしまったと考えられています。

また、交雑種が産まれたことで、純粋なスワモロコがいなくなった可能性も考えられます。

このため、現在、琵琶湖以外のホンモロコを、「総合対策外来種」または「産業管理外来種」とし、元々生息していた魚類の種を守るために、管理を進めようとしているようです。

また、スワモロコの生息地である諏訪湖は、かつては非常に水質の良い湖で、江戸時代には蜆が放流され、漁業もおこなわれていました。

しかし、戦後の高度経済成長期あたりから、農地からの化学肥料や生活排水などが流れ込み、湖の栄養が豊富になりすぎる「過栄養故」となってしまいました。

こういった人間による湖の環境変化も、スワモロコが絶滅した原因の一つとも考えられます。

「スワモロコ」の生き残りの可能性

スワモロコは1960年代に絶滅したといわれていますが、近年、実際に、「スワモロコ」として一般人が採集し、写真をウェブ上に上げている場合が多く見られます。

しかし、種を同定するのは非常に難しく、誤同定をしている可能性も非常に高いです。

また、諏訪湖やその周辺の河川には、タモロコやホンモロコなどの他のコイ科の魚類が多く生存しており、約40種の魚類が生存しているといわれています。

そのことからも、近親交配が進み、交雑種が多く存在している可能性が高いです。

実際に、長野県魚貝図鑑に「ホンモロコ」として掲載されている個体も、スワモロコとタモロコ共通の形質があり、ホンモロコとタモロコの交雑種、またはその子孫ではないかと推定されています。

以上のことからも、純粋なスワモロコが生き延びている可能性はとても低いのではないかと考えられます。