「テイオウキツツキ」とは
テイオウキツツキは、キツツキ目キツツキ科に属する鳥類です。
別名「メキシコハシジロキツツキ」とも呼ばれています。
全長約60cm程度の大型のキツツキの仲間で、頭部の赤い羽根や、白と黒の体が特徴ですが、体色は雌雄で異なります。
頭部の赤い羽根は、オスのみにしかなく、メスにはありません。
体色はほとんど似ていますが、メスのほうが若干白い部分が少ないようです。
世界最大のキツツキともいわれています。
また、鳴き声も特徴的で、「おもちゃのトランペットのよう」といわれることもあるようです。
「テイオウキツツキ」の分布・生息地
テイオウキツツキは、メキシコの西部に位置する「シエラ・マドレ山脈」一帯に広く分布していました。
デュランゴ、メキシアンホワイト、ロブロリー、モンテスマ松などの木を好んでいたようです。
通常、海抜2100~2700mあたりの開放的は森林で生活しており、目撃情報のほとんどは標高1920~3050mあたりです。
主にカブトムシなどの昆虫の幼虫を餌としています。
通常、4個体以上のグループで行動しており、繁殖は2月~6月で、1回に1~4個の卵を産むことがわかっています。
「テイオウキツツキ」の絶滅した原因
テイオウキツツキは、1950年代ごろから徐々に個体数が減少し、1996年ごろには数回の目撃情報があったものの、定かな情報ではありませんでした。
その後も正確な目撃情報はなく、2003年には絶滅したと発表されています。
その原因は、まず最初にあげられるのが人間による森林伐採です。
彼らが住んでいた地域は、「針葉樹林」とよばれ、人間にとって需要の高い木材でした。
そのため、何度も開墾がなされ、伐採されていきました。
繁殖するための場所がなくなってしまったテイオウキツツキは、徐々に個体数が減り、絶滅してしまったと考えられます。
また、テイオウキツツキは、食用や民間療法としても使用されていたようです。
こうした目的で、ハンターにより狩られてしまったことも原因の1つであると考えられます。
また、フィールド調査の本に記載されている情報では、人間が使用する木材資源を守るために、メキシコの森林管理者が木に毒を塗り、キツツキたちを次々と殺してしまったという情報があります。
もしこれが本当だとすれば、短期間でかなりの個体数が死亡してしまったことでしょう。
これも、絶滅した原因の1つであると考えられます。
「テイオウキツツキ」の生き残りの可能性
テイオウキツツキは、バードライフ・インターナショナルの科学者と、地元の環境保護団体が、最後に目撃情報があった「ドゥランゴ州北部」の森林地帯を中心に、16日間にもわたり調査が行われました。
しかし、発見には至らず、2003年に絶滅が宣言されています。
しかし、その後何度か目撃情報があがってきているようです。
2005年に、出版された文献に、テイオウキツツキの再発見とされる情報があるようですが、その情報も信憑性がなく、現時点では絶滅していると位置づけられています。
今後、さらなる調査が進み、再発見され、正確な情報を集めつことができれば、絶滅したという宣言を撤回できる時がくるかもしれません。