「バルバドスアライグマ」とは
バルバドスアライグマは、食肉目アライグマ科に属するアライグマの仲間です。
体長約50cm、体重5~8kgと、北アメリカに棲むアライグマより少し小柄で、尾は茶色と黒の輪になった縞模様であったようです。
詳しい生態についてはわかっていないことが多いですが、基本的には他のアライグマと同様に雑食性で、両生類や爬虫類、魚類や鳥類、哺乳類、昆虫類、甲殻類、その他無脊椎動物、植物など、とても幅広い食性であったと推測されます。
アライグマの亜種またが移入個体群であるという説もあります。
「バルバドスアライグマ」の分布・生息地
バルバドスアライグマは、バルバドスという島国に生息していました。
名前の由来も、生息地からきているようです。
バルバドスは、カリブ海にある、西インド諸島内の小アンティル諸島東端に位置する島国で、島全体がサンゴ礁で出来ています。
バルバドスアライグマは、その島国の中で、樹洞に巣を作り、森林や茂みを好んで行動していたようです。
アライグマの仲間は、自分で巣を掘ることはあまりなく、基本的に他の動物が地中に掘った巣穴や樹洞、時には農家の物置などを使って休んでいたといわれています。
バルバドスアライグマも同様に生活していた可能性が高いと考えられます。
「バルバドスアライグマ」の絶滅した原因
バルバドスアライグマは、1964年、もしくは1970年に絶滅したと考えられています。
原因として考えられるのは、バルバドスアライグマが農作物に危害をもたらしているとされ、1750年に、バルバドス国内で害獣として指定されてしまったことです。
そうすることで、駆除の対象になってしまいました。
また、農地開拓が進み、生息環境も減少していき、個体数が減っていきました。
さらに、19世紀~20世紀にかけて、国際的に毛皮の需要が増え、珍しいバルバドスアライグマの毛皮もターゲットにされてしまった可能性があります。
また、可愛らしいみためからも、ペットとしての需要もあったため、乱獲されてしまいました。
こうした様々な要因が重なり、絶滅してしまったと考えられています。
「バルバドスアライグマ」の生き残りの可能性
バルバドスアライグマは、バルバドスという島国のみに生息していました。
バルバドスは、島の面積が431㎢程度しかないため、生息環境はかなり狭いことがわかります。
このことからも、現在生き残っている可能性は低いのではないかと考えられます。
しかし、アライグマの仲間は、ペットとしての需要も高く、移入により幅広い地域に定着しています。実際に日本においても外来種のアライグマが野生化している例もあります。
バルバドスアライグマに関しても、ペットとして他国に持ち込まれ、そこで野生化している可能性もあるかもしれません。
また、そもそも、バルバドスアライグマが移入個体であるという説や、アライグマの亜種であるという説もあるため、実際に他の国でバルバドスアライグマと同種の個体が生息している可能性も否定できません。