「ボリエリアボア」とは
ボエリアボアとは、爬虫綱有鱗目ツメナシボア科ボリエリアボア属に属する、ヘビの仲間です。
なお、このボエリアボア属には、ボエリアボアのみで形成されており、亜種は存在しません。
別名「ボアモドキ」ともいわれています。
全長の平均は約1mで、現在保管されている標本の全長は54~140cmであるとの報告があります。
体色は、薄茶色の体で、背面に黒っぽい斑点がみられ、腹側はピンクがかった薄い黒色で、大理石のような色をしています。
体は円筒形で、鼻先がとがっていたようです。
ボエリアボアは、1975年に絶滅したと考えられています。
「ボエリアボア」の分布・生息地
ボエリアボアは、南半球インド洋にある島国で、アフリカ、マダガスカルの東に位置する「モーリシャス島」に生息していました。
このモーリシャス島の大きさは、2040㎢ほどしかなく、日本の東京都と同じくらいの大きさしかありません。
ボエリアボアは、モーリシャス島のヤシ林の中で、地面に堆積した落葉の中に巣を作って生活していたようです。
食性は動物食で、主にトカゲなどを食べていたのではないかと考えられています。
その他、繁殖生態など詳しいことはわかっていないようです。
「ボエリアボア」の絶滅の原因
ボエリアボアの生息地であるモーリシャス島は、1505年にポルトガル人によって発見され、1638年にオランダが植民を開始するまでは無人島でした。
その後、1715年に、フランスに領土が移り、植民を開始しました。
それに伴い、土地開発のために徐々に森林伐採が行われたり、人為的に持ち込まれたヤギ、アカウサギなどの生き物が野生化し、ボエリアボアの生息環境は荒らされてしまいました。
現在においても、モーリシャス島には移民者によって持ち込まれた外来の生き物や植物が多くあるようです。
こうした人間による環境の変化によって、ボエリアボアは徐々に個体数が減少し、絶滅に至ってしまいました。
モーリシャス島では、ボエリアボアだけでなく、コウモリの仲間や、かつて固有種であり、飛べない鳥としても知られる「ドードー」なども、1681年には絶滅してしまったようです。
「ボエリアボア」の生き残りの可能性
ボエリアボアは、モーリシャス島という小さな島の限られた環境でしか生息しておらず、また亜種も存在しないため、現在生き残っている可能性は非常に少ないと考えられます。
現在、モーリシャス島では、島の環境や生き物を保全するためのと取り組みがなされています。
絶滅した生き物の調査まで行っているかは不明ですが、こうした団体により、現在生き残っている生き物たちが暮らしやすいような環境を整え、これ以上絶滅種を増やさないようにする必要があると考えます。