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【ミナミトミヨとは】生息地や絶滅の原因・生き残りの可能性まとめ

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ミナミトミヨとは、トゲウオ目トゲウオ科に属する淡水魚です。

体長は約45㎜と小柄な魚です。

棘上の背鰭が8~9条ほど背中にあるのが特徴的で、各鰭の棘は短く、鰭膜は紫黒色または濃藍黒色をしていることで、他のトミヨ属と区別されます。

生存時の体色は、雄は灰緑~灰黄色・緑色、雌は廃黄緑色に暗緑班があり、雌雄とも背面は黒く、腹部は白色をしています。

また、体側には暗緑色の腹側な模様があります。

1960年~70年代に絶滅したといわれており、現在京都大学、同志社大学、大阪市立自然史博物館に合わせて約100個体の標本が保管されています。

「ミナミトミヨ」の分布や生息地

ミナミトミヨは、トミヨ属の中で最も南に分布していた種で、京都府西南部や、兵庫県柏原地方などの湧水池とそれにつながる河川に生息していました。

平地の清らかな湧水のある浅い池や、セリ田などを好んで生息していたようです。

大阪府内では、1970年代はじめ頃まで、枚方市楠葉交野天満宮東側の湧水セリ田において生息していたとされています。

一生涯を淡水で過ごす種で、雄は他のトゲウオの仲間と同様に、鳥の巣のような巣を作り卵とふ化仔魚を保護することが知られています。

「ミナミトミヨ」の絶滅した原因

ミナミトミヨは、1915年に発見されましたが、その時にはすでに個体数は減少していたようです。

その後、さらなる都市開発に伴って、生息地の河川や湧水地が埋め立てられたり、ダムが建設されたりしたことにより、生息地が減少したしまったこと、また水質汚染がおこったことにより、個体数が減少し、絶滅に至ったと考えられています。

1960年代にはすでに危機的な状況でしたが、保護策は一切講じられず、移植などの種の保存活動も行われましたが失敗に至り、絶滅してしまいました。

これらのことから、ミナミトミヨの絶滅した原因は、人間による環境の変化が大きいと考えられます。

「ミナミトミヨ」の生き残りの可能性

ミナミトミヨは、様々な研究者が現在も調査を行っています。

2010年には、絶滅した「クニマス」という淡水魚が再発見されたという例もあり、ミナミトミヨについても再発見の可能性があると注目している専門家もいるようです。

兵庫県の丹波市の「柏原ロータリークラブ」という団体が、積極的にミナミトミヨに関する講演会を開いたり、委員会を設立して資料を集めたりといった活動をされているようです。

ここでは過去の目撃情報なども集めていますが、現在生存しているという信憑性の高い情報はありません。

しかし、ミナミトミヨは、朝鮮半島の日本側にも分布しているという説もあります。

これについては、別種である可能性が高いとされていますが、ミナミトミヨを含むトミヨ属の分類はいまだに混乱していることが多く、今後再検討される必要があるといわれているため、分類が見直されて絶滅種から外れる可能性もあるかもしれません。