チューチューと、特徴的な鳴き声の動物。
ネズミかな?と思われる方が多いかもしれませんが、実はこれ、レイサンクイナという鳥の鳴き声なのです。
ハワイの孤島で暮らし、飛べないながらに地上を走って暮らしていた彼らは、いかにして絶滅したのか。
今回はそんなレイサンクイナについてまとめてみました。
「レイサンクイナ」とは
身体的特徴
全長15㎝程度とかなり小さく、鳴き声や大きさから別名では「ネズミクイナ」とも呼ばれていました。
成体の体色は灰色と砂のような茶色で、白と黒の斑点がありました。生まれたてのヒナは黒いビロードのような色をしていたそうです。
また、足指が長く、湿地の多い環境に適していました。
生態的特徴
細くて長いクチバシを使って、土の中のハエの蛆やガの幼虫などを掘り出して食べていました。
また、群れは作らず、つがいで行動し、地上の草むらや葦の茂みなどに巣をつくり、1回に3つの卵を産んでいたそうです。
「レイサンクイナ」の分布・生息地
最初はハワイ諸島のレイサン島にのみ生息していましたが、後に遠く離れた島へと住処を移すことになります。
「レイサンクイナ」の絶滅した原因
移民によってグアノ(化石肥料)の採集が始まると、島の環境は大きく変わっていきました。
それでも1912年にはおおよそ2000羽がいたと考えられていました。
しかしその後、移民によってウサギやモルモットが持ち込まれたことで島の植生はさらに破壊され、レイサンクイナが住める環境ではなくなってしまったのです。
幸運だったことは、罠によって捕まった数羽がミッドウェー諸島に持ち込まれ、そこで数を増やすことができたということです。
しかし太平洋戦争が勃発したことで、アメリカにとって重要な軍事拠点であったミッドウェー諸島は次第に軍事基地化が進み、人や船舶が島へ大量に流入することになりました。
そして船に乗ってやってきたネズミがレイサンクイナを容赦なく喰らいつくしたことで、彼らは1944年に完全に姿を消してしまったのです。
「レイサンクイナ」の生き残りの可能性
1943年にサンド島で、1944年にイースタン島でそれぞれ絶滅が確認されてから、目撃情報などはありません。
彼らは記念写真以外にその姿をこの世に残すことなく消えていってしまいました。
まとめ
別名では「ネズミクイナ」と呼ばれながら、最後にはネズミに食い荒らされて絶滅してしまったレイサンクイナ。
残念ながら、彼らの鳴き声を聞くことはもう二度と叶わないようです。