皆さまはオーストラリア領に属する小さな三日月型の島・ロード・ハウ島をご存知でしょうか。
1982年に周辺の島々と共にユネスコの自然遺産に登録されたこの美しい島には、かつてたくさんの珍しい動物たちが暮らしていました。
そのうちの一種、ロードハウセイケイ。たった2体の標本と、絵、旅行者の記述にのみよって知られる鳥です。
彼らはどんな姿をしていて、どのようにして絶滅に至ったのか。
謎多きその生態に迫ってみたいと思います。
ロードハウセイケイとは
身体的特徴
ロードハウセイケイは、ツル目クイナ科に属するセイケイの一種です。
朱色のくちばしに白い体。頭部にはごく小さな鶏冠のようなものがついています。
絵によると、私たちがセイケイと聞いて思い浮かべる鳥よりも、少し首が短く詰まったようになっていたようですね。
そしてそのセイケイや、ロード・ハウ島に現存する鳥種であるロードハウクイナよりもニワトリに近いような姿をしていますが、ニワトリよりもくちばしが大きく、尾羽が短いのが特徴です。
生態的特徴
詳しいことはほとんどわかっていませんが、木の実などを食べて生活していたと考えられています。
「ロードハウセイケイ」の分布・生息地
ロードハウセイケイはロード・ハウ島の固有種です。
ロードハウ島は大陸と繋がったことがないため、島に暮らす動植物群はすべて海を渡ってきたものが祖先だと考えられているようです。
ロードハウセイケイの祖先は飛ぶことのできる鳥だったのでしょう。
「ロードハウセイケイ」の絶滅した原因
ロード・ハウ島は1788年にイギリス人によって発見されましたが、その後の1833年にこの島に人が移り住むようになった時にはでにその姿を消してしまっていました。
絶滅の直接の要因としては、島に立ち寄った船乗りの食料として乱獲された、人間が持ち込んだ動物によって卵やヒナが狩られた、など複数の仮説があります。
「ロードハウセイケイ」の生き残りの可能性
目撃情報などもないため、1800年前後に完全に絶滅してしまったと考えてよいでしょう。
しかし、その種の起源や分化、分布などに関してまだ研究の余地が残されているようで、海外では論文も数多く発表されているようです。
まとめ
謎多き鳥・ロードハウセイケイ。
オーストラリアの孤島で、彼らがどうやって生活していたかは、まだまだ想像の域を出ることはかないません。
しかし、研究も盛んにおこなわれているようですし、これからまた新しい発見があるかもしれませんね。その日を楽しみに待ちたいと思います。