「ミイロコンゴウインコ」とは、オウム目オウム科に属する鳥類です。
全長は約50cmで、インコの中では大型です。
頭部と腹部、背中の前の部分が赤く、そのほかは青色、また背中の後ろのほうには黒い羽が混ざっており、とてもきれいな色をしています。
この見た目から、「ミイロコンゴウインコ」の「ミイロ」というのは、「三色」と書くようです。
インコの仲間は、オスとメスで体色が異なる場合がよくありますが、ミイロコンゴウインコはオスとメスで同じ体色をしています。
主に木のみや種子を食べていたと考えられていますが、ミイロコンゴウインコの習性についてはあまり情報が残っておらず、現在も不明なことが多いようです。
ミイロコンゴウインコの仲間で、現在も生息が確認されている「コンゴウインコ」は、繁殖期以外は大きな群れになって生活していることがしられていますが、ミイロコンゴウインコは、繁殖期以外もつがいで過ごしていたといわれています。
高い樹の洞に巣を作り、子育てを行っていたようですが、その繁殖生態についてはほとんど記録がなく、どんな卵を産むのか、一回に何個の卵を産むのかなど、わからないことが多いようです。
「ミイロコンゴウインコ」の分布・生息地
ミイロコンゴウインコは、西インド諸島のキューバ島と、そのすぐ近くにある小さな島、フベントゥド島に生息していました。
しかし、1885年にキューバで確認されたのを最後に、絶滅したと考えられています。
高い樹の洞に巣を作っていたという情報は残っていますが、そのほかどんなところで生活していたのかなどの詳しい情報は残っておらず、いまだ謎の多い鳥類です。
「ミイロコンゴウインコ」が絶滅した原因
ミイロコンゴウインコを含むコンゴウインコの仲間たちは、大型で華やかな種類が多いです。
その華やかさが故に、ヨーロッパでは、インコ類の飼育が流行し、より華やかで大型のインコを飼育することが、人間たちのステータスにもなっていたようです。
また、美しいインコの羽根は、婦人たちのアクセサリーとしても利用されるようになり、需要は増していきました。
こうしたことから、どんどん野生のインコが乱獲され、個体数が減少していってしまった可能性が示唆されます。
特に、ミイロコンゴウインコの生息地であるキューバ島は、アクセスしやすいところに位置していたため、多くのハンターたちが侵入していったようです。
また、入植による土地開拓により、森林伐採などが行われ、ミイロコンゴウインコの生活環境が変化したことも絶滅した原因の一つだと考えられます。
「ミイロコンゴウインコ」の生き残りの可能性
現在、コンゴウインコの仲間では、ミイロコンゴウインコを多くの種類が絶滅しています。
生存しているコンゴウインコも、個体数が減少している種が多く、生態調査や巣箱の設置など、積極的に保護活動が行われているようです。
しかし、未だにペットとしての需要も多く、日本のペットショップで販売されていることも多くあります。
このように、現在においてもコンゴウインコの仲間の需要は高く、発見された場合、再度ペットとして利用される可能性は高いと考えられます。
可能性は少ないですが、どこかのペットショップにミイロコンゴウインコが別種として混ざっている可能性も否定できません。
人間の目の届かないキューバの森林で、ひっそりと生き延びていることを願います。