世界の絶滅した動物達 PR

【ワライフクロウとは】生息地や絶滅の原因・生き残りの可能性まとめ

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

ニュージーランドの霧雨の夜、陰気で不気味な笑い声が聞こえてきます……

  • 「まさしく若い犬が吠えるような独特の吠えている雑音」
  • 「遠くで二人の男がわめいているような」
  • 「メランコリックに野次るような」

この笑い声の正体は、実は「ワライフクロウ」の鳴き声なのです。

おめでたい名前の割に、散々な評価の鳴き声を持つ彼らは、どのような鳥で、どのように暮らしていたのか。

その生態に迫ってみましょう。

「ワライフクロウ」とは

身体的特徴

体長は約40㎝、体はこげ茶とクリーム色のまだら模様の羽毛でおおわれていました。

名前の由来は、微笑んで見える表情をしている、などではなく、高笑いのようにも聞こえる独特の鳴き声から来ているようです。

捕獲されたワライフクロウからは、口笛を吹き、忍び笑いのような鳴き声を出す姿が観察されました。

生態的特徴

ワライフクロウは雑食性で、主要な餌はミミズ、昆虫の他、ネズミやコウモリといった小型の哺乳類まで含まれていました。

狩りを行う際には低めの灌木や枝で獲物を待ち伏せし、上から襲い掛かって地面でとらえていたそうです。

現存する他のフクロウたちと同じように夜行性で、夜間~薄明時に行動していました。

「ワライフクロウ」の分布・生息地

ニュージーランドの北島・南島に生息していたそうです。

「ワライフクロウ」の絶滅した原因

19世紀中ごろまではそう珍しい鳥というわけでもありませんでしたが、アナウサギの駆除のためにヨーロッパから持ち込まれたフェレットやオコジョによって、少しずつ狩られていきました。

日本ではかつて、ハブを狩るために奄美大島に持ち込まれたマングースが、固有種であるアマミノクロウサギを標的にしてしまったことがありましたが、この例はワライフクロウの一件と非常によく似ていると言えるでしょう。

閉ざされた島で生きてきた動物というのは外来種に対して脆弱なのです。

また、寄港した船に潜んでいたネズミに卵を食べられたこと、珍しい鳴き声のためにペット用として捕獲されたことも、数を減らす原因の一つとなったようです。

「ワライフクロウ」の生き残りの可能性

ワライフクロウの生きている姿は、1914年に目撃されたのが最後であるという記録が残っています。

それ以来その姿も、特徴的な鳴き声も、人間の手の届くところには表れていないようです。

まとめ

鳴き声を気味悪がられながらも、ニュージーランドの島で静かに暮らしてきたはずのワライフクロウ。

人間の都合によって絶滅させられてしまった今となっては、笑っている場合ではないと思っていることでしょう。