カラカラ、と言われてもピンとこない方も多いかもしれませんが、ざっくり言うとハヤブサの仲間の鳥類です。
その語源は南アフリカで用いられるトゥピ語だとも言われています。
その中で、メキシコの小さな島だけでひっそりとくらいしていたのがこの「グアダルーペカラカラ」です。
彼らはどんな鳥で、そしてなぜ絶滅してしまったのか。
今回はグアダルーペカラカラについてまとめてみました。
「グアダルーペカラカラ」とは
身体的特徴
ハヤブサ科としては大型の鳥だったそうです。
羽は概ね黒色で、一部に白色と黒色の交じり合った斑模様の羽が生えていたようです。
尾羽は白と黒の斑模様が大半で、先端だけが黒くなっていました。
首~胸にかけての羽毛は君が勝った茶色で、目の周りは赤色であったことが、彼らを描いた絵からわかります。
「グアダルーペカラカラ」の分布・生息地
バハ・カリフォルニア半島西方沖約250㎞に浮かぶグアダルーペ(メキシコ)の固有種でした。
グアダルーペ島は別名「シャークアイランド」とも言われ、ホホジロザメの有名な生息地になっています。
たくさんの自然が残り、現在では自然保護区に指定されています。
「グアダルーペカラカラ」の絶滅した原因
1700年ごろから、島ではヤギの放牧が始められました、カラカラの種の例にもれず、肉食で子ヤギを餌とすることもあったグアダルーペカラカラは、人々から害獣とみなされ、毒や銃で駆除されていきました。
小さな島の固有種にはよくある話ですが、彼らもまた、それまで天敵らしい天敵がいなかったため、その警戒心は薄いものでした。
そのため多くのグアダルーペカラカラが罠にかかり、命を落としていったのです。
そうして数が減ったことで、今度は鳥類学者や博物館、個人のコレクターなどの目に留まることになってしまいました。
貴重な彼らの姿を標本として残そうと、人々は躍起になったのです。
1897年には、なんと一羽100ドルの値が付いたほどでした。
「グアダルーペカラカラ」の生き残りの可能性
1900年12月1日、11羽の群れが鳥類学者によって発見され、そのうちの9羽が標本用に撃ち落されました。
これが記録に残っている最後のグアダルーペカラカラだと言われています。
それ以降誰も姿を見た人はいないため、1911年には絶滅してしまったとされています。
まとめ
人間のいる所に安息の地はないということでしょうか。
天敵のいないはずの島で優雅に暮らしていたはずの彼らは、子ヤギを狩る邪魔者として排斥された挙句、コレクターに追い回されて絶滅にまで至ってしまいました。
研究のために捕まえるにしても、野生で生きる彼らの命を狩り尽くしてしまっては本末転倒です。
数が減りつつあることに気付きながら、私利私欲に走ってしまった人間たちを思うと虚しくなってしまいますね。