ダイトウヤマガラは、スズメ目シジュウカラ科ヤマガラ属に属する鳥の仲間で、シジュウカラの亜種とされています。
漢字では「大東山雀」と書きます。
大きさは、他のヤマガラと同じく13~15cmといわれています。
ヤマガラは非常に人に慣れやすい習性があるため、ダイトウヤマガラも例外ではないと推測できます。
雌雄同色で、他のヤマガラと同じく頭部は2色に分かれていますが、オレンジ色の側面がある点と、体上部に広い栗色の帯、下部はオリーブグリーンをしている点で、他のヤマガラと区別されているようです。
「ダイトウヤマガラ」の分布・生息地
ダイトウヤマガラは、沖縄本島頭部の大東層群の北大東島と、南大東島に生息していたといわれています。
詳しい生息地についての情報は少ないですが、他のヤマガラと同様に、標高1500m以下の常緑広葉樹林や、落葉広葉樹林に生息していたと推測できます。
また、「山雀」という名前は、山に生息していたことからついているようですが、山だけでなく平地にも生息していたようです。
標高1000m以上の気温の低い地域に生息していたヤマガラは、冬の間は標高の低い場所へと移動することがしられています。
また、他の科と混ざった群を形成することもわかっています。
「ダイトウヤマガラ」が絶滅した原因
ダイトウヤマガラは、1940年ごろに絶滅したといわれています。
その原因として考えられるのは人類の定住と、それにともなう建築活動です。
ダイトウヤマガラの生息地である大東諸島は、1885年に日本が領土を諸外国に宣言し、沖縄県に編入されています。
その後、1990年代以降には、開拓団による入植が始まり、私企業などの開拓が行われました。
それらに伴う環境の変化で、元々大東諸島にしか生息していなかったダイトウヤマガラの生息地や餌生物が減少し、絶滅に至ったことが示唆されます。
「ダイトウヤマガラ」の生き残りの可能性
ダイトウヤマガラの生息地である大東諸島は、最も近い沖縄諸島からも300㎞以上離れており、沖縄県の中でも独立しています。
そのため、多くの固有種が生息しています。
その中でも、ダイトウミソサザイやダイトウウグイスなど、すでに絶滅してしまっている生き物も少なくありません。
大東諸島という閉鎖的で限られた環境の中でしか生息していなかった固有種なので、その中で生き延びている可能性は非常に少ないのではないかと考えられます。
しかし、ダイトウヤマガラは、他のヤマガラの亜種とされており、分類的に非常に近いところに位置する種類が現在も生き延びています。
このことから、今後の分類の見直しで、ダイトウヤマガラと同種とされるヤマガラが現れることはあるかもしれません。