日本でも名の知れた観光地であるハワイ。
そこには何種類もの美しい鳥が暮らしています。
そしてかつてはその一員だった、ムネフサハワイミツスイ。
王族の煌びやかな衣装を彩っていた彼らの羽を、私たちはもう見ることは叶わないのでしょうか。
ムネフサハワイミツスイとは
身体的特徴
全長は約34㎝、全身が艶のある黒い羽毛で覆われていました。
尾の一部と、胸の左右には色鮮やかな黄色の羽根が生えており、尾はとても長かったようです。
他のミツスイ科の鳥と同じように、湾曲した細いクチバシを持っていました。
ムネフサハワイミツスイの分布・生息地
その名のとおり、彼らはハワイ島の固有種の一つでした。
ムネフサハワイミツスイの絶滅した原因
彼らの絶滅の理由は一つではありません。
飾り羽を狙った狩猟
ムネフサハワイミツスイの最大の特徴と言えば、その美しい飾り羽です。
ハワイではもともと王族の装飾品として用いられてきました。
しかし、その飾り羽をつかったケープがハワイを訪れた観光客の間で流行したことで、ムネフサハワイミツスイは次々と狩られていったのです。
生息地の減少
移住者が増えたことで都市開発が進み、彼らの生活の場であった高い木は切り倒されていきました。
それだけでなく、大好物の蜜のある花も姿を消していったのです。
外来鳥の持ち込んだ病気
最後の追い打ちとなったのは、島の外からやってきた鳥の持っていた鳥マラリアでした。
こうして、乱獲され、住処を奪われ、最後には流行り病にかかるという形で、ムネフサハワイミツスイは地球から姿を消してしまったのです。
ムネフサハワイミツスイの生き残りの可能性
記録に残る最後の目撃情報は、1934年のものだと言います。
それ以降彼らは私たちの目の前に姿を見せていません。そしてこれからもその美しい羽根を見ることはできないでしょう。
まとめ
残念なことに、絶滅してしまったのは彼らだけではありません。
もともと50種類ほどいたハワイミツスイ類は、今日に至るまでにその半数が絶滅してしまっているのです。
地球上でもっとも隔絶した群島であると言われるハワイには、彼らの逃げ延びる場所はなかったのでしょうか。