「ブランブルケイメロミス」とは
ブランブルケイメロミスは、ネズミ目ネズミ科に属するネズミの仲間です。
体長は14.8cm~16.5cm程度で、一般的なマウスと比べると少し大きいようです。
尾の長さは14.5cm~18.5cm程度で、他のマウスと比べると、尾が長くて足が大きく、また耳は短かったようです。
尾の先端は荒い鱗で覆われていて、尾を使って物をつかみやすいようになっていたと考えられています。
体の色は、体の上は赤茶色で、腹部は灰色が買った茶色、また背中には黒い保護毛が生えています。
ブランブルケイメロミスは、2009年に観察されたのが最後で、2015年5月に、国際自然保護連合が絶滅を宣言、2019年2月にはオーストラリア政府によって、正式に絶滅が宣言されました。
「ブランブルケイメロミス」の分布・生息地
ブランブルケイメロミスは、オーストラリア北東岸に広がる世界最大のサンゴ礁地帯、グレート・バリア・リーフの北端に位置し、独立している「ブランブル・ケイ」という島の固有種です。
グレート・バリア・リーフの唯一の固有種であったとされています。
ブランブル・ケイは、トレス海峡諸島の島の一つで、サンゴ礁の上にできた、小さく標高の低い島です。
島の面積は0.0362km2、長さ0.251 km、幅は0.104㎞しかありません。
このような独立した小さな島に、どのようにしてブランブルケイメロミスが到達したのか、未だにわかっていないようです。
研究者たちの中では、流木に乗って漂流し、ニューギニアにある島からブランブル・ケイへとたどり着いたのではないかと考えられているようです。
あとは、最近まで残っていた、オーストラリアとニューギニアをつなぐ橋を渡っていたのではないかという説もあるようです。
ブランブルケイメロミスは、島の中でも植物が密集した地域を好み、海鳥が密集しているような場所は避けて生活していたと考えられています。
ウミガメの卵を餌としていたという説もあるようです。
「ブランブルケイメロミス」の絶滅した原因
ブランブルケイメロミスは、人為的な気候変動により絶滅したと考えられています。
ブランブルケイメロミスの生息地であるブランブル・ケイは、標高が低いために天候や海面の上昇の影響を非常に受けやすいようです。クイーンズランド州政府の報告によれば、過去10年の間に、何度も島が浸水したといいます。
その際に、ブランブルケイメロミスの生息地も浸水してしまった、または直接ブランブルケイメロミスが浸水して、溺死してしまった可能性があります。
また、海面の水位は1993年から2010年の間に毎年0.6cmも上昇していると推定されています。
これ以外にも、低気圧性暴風雨により一時的に大幅な海面の上昇も発生していたようです。
こうした影響により、ブランブルケイメロミスの生息地に大きな変化をもたらしたことが原因であると考えられます。
「ブランブルケイメロミス」の生き残りの可能性
ブランブルケイメロミスは、2009年に目撃された情報が最後であるといわれています。
2011年にも調査が行われましたが、発見にはいたりませんでした。
2014年~2015年にも、残された個体を発見して飼育下で繁殖を試みようと調査が行われましたが、1個体も発見することが出来ませんでした。
限られた島の中でこれだけの調査が行われたのにも関わらず、1個体も発見できていないことから考えると、ブランブルケイメロミスが現在も生き残っている可能性はかなり低いでしょう。
しかし、ブランブルケイメロミスがなぜこの島に到達したのかがわかっていないように、なんらかの方法でまた別の島に漂着し、私たちの知らない別の環境で繁栄している可能性はもしかするとあるのかもしれません。